
「現在利用しているRDSのパフォーマンスに限界を感じている」「データベースの可用性を高めたいが、運用が複雑で…」「クラウドのコストを最適化したい」
AWSでシステムを運用するエンジニアであれば、こうしたデータベースに関する課題に一度は直面したことがあるかもしれません。その解決策として注目されるのが、AWSが提供するAmazon Auroraです。
しかし、多くのエンジニアにとって身近なAmazon RDSと何が違うのか、どのような場合にAuroraを選ぶべきなのか、正確に理解するのは簡単ではありません。技術選定の失敗は、将来的なパフォーマンス問題や予期せぬコスト増に直結するため、慎重な判断が求められます。
この記事では、特定のベンダーに偏らない中立的な視点から、AWS Auroraの基本的な概念から、RDSとのアーキテクチャレベルでの違い、そしてパフォーマンス・可用性・コストといった実践的な観点での比較まで、エンジニアが知りたいポイントを説明します。この記事を読めば、あなたのプロジェクトに最適なデータベースはAuroraなのか、それともRDSなのか、自信を持って判断できるようになるでしょう。
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AWS Auroraとは?RDSを再設計したクラウドネイティブDB

Amazon Auroraとは、MySQLおよびPostgreSQLと互換性を持ちながら、クラウド環境に最適化される形でAWSが再設計したリレーショナルデータベースサービスです。一般的なAmazon RDSが既存のデータベースエンジン(MySQL, PostgreSQLなど)をマネージドサービスとして提供するのに対し、Auroraはエンジン自体にAWSが深く手を加え、クラウドならではのメリットを最大限に引き出せるよう作られています。
その最大の特徴は、圧倒的な「パフォーマンス」と「可用性」にあります。従来のデータベースが抱えていた性能や耐障害性の課題を、クラウドネイティブなアーキテクチャで解決することを目指して開発されました。多くのプロジェクトでRDSからの移行先として検討されるのは、こうした背景があるためです。
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最大の違いはアーキテクチャ!AuroraとRDSの仕組みを比較

AuroraとRDSの性能や可用性の違いは、その根本的なアーキテクチャ(設計思想)の違いから生まれています。この違いを理解することが、両者を正しく選択する上で最も重要となります。
従来のデータベースと同様の構成を持つRDSは、データベースの処理を行うコンピュート(CPUやメモリ)と、データを保存するストレージが一体となったモノリシックな構成です。
一方、Auroraは、このコンピュート層とストレージ層を完全に分離し、それぞれを独立してスケールできるように設計されています。ストレージ層は単なるディスクではなく、複数のアベイラビリティゾーン(AZ)にまたがる、可用性とパフォーマンスに特化した仮想的なストレージクラスターとして機能します。
このアーキテクチャの違いが、Auroraの高速な処理性能や高い耐障害性を実現する鍵となっています。

【比較表】AWS AuroraとRDSの違いを5つの重要項目で詳説

エンジニアが技術選定を行う上で特に重視するであろう5つの観点から、AuroraとRDSの違いを具体的に見ていきましょう。まずは、全体の比較を一覧表で確認してください。
| 比較項目 | Amazon Aurora | Amazon RDS (MySQL/PostgreSQL) | 備考 |
|---|---|---|---|
| パフォーマンス | 非常に高い (標準MySQLの最大5倍) | 標準的 | 高負荷時の書き込み性能に大きな差 |
| 可用性・耐障害性 | 極めて高い (3AZに6重レプリケーション) | 高い (Multi-AZ構成時) | データ消失リスクと復旧時間に差 |
| スケーラビリティ | 非常に高い (リードレプリカ最大15台) | 高い (リードレプリカ最大5台) | 読み取り負荷への追従性に差 |
| ストレージ | 自動拡張 (最大128TB) | 手動拡張 (最大64TB) | 運用負荷と拡張性に差 |
| コスト・料金体系 | 従量課金 (I/Oリクエスト課金あり) | 固定料金に近い (I/O課金は一部) | ワークロードによりコストが変動 |
1. パフォーマンス:高負荷時でも安定したスループット
Auroraのパフォーマンスは、特に高負荷時においてRDSを大きく凌駕します。
AWSの公式発表では、同じハードウェア構成で比較した場合、標準のMySQLに対して最大5倍、標準のPostgreSQLに対して最大3倍のスループットを実現するとされています。これは、前述のアーキテクチャの違いにより、書き込み処理のオーバーヘッドが大幅に削減されているためです。
また、RDSではリードレプリカが増えると書き込み性能が劣化する傾向がありましたが、Auroraではその影響が最小限に抑えられています。これにより、読み取り負荷が高い大規模なサービスでも安定したパフォーマンスを維持しやすいのが大きなメリットといえるでしょう。
2. 可用性と耐障害性:データ消失リスクの低減と高速な復旧
データベースの信頼性において、可用性と耐障害性は極めて重要です。Auroraはこの点で非常に優れた設計になっています。
Auroraのストレージは、データを3つのアベイラビリティゾーン(AZ)にわたり、それぞれ2つずつ、合計6つのコピーを自動的に作成します。これにより、仮に1つのAZが完全に停止し、さらに追加で1つのコピーが失われても、書き込み処理は継続でき、読み取り処理も影響を受けません。データ消失のリスクが極めて低いのが特徴です。
また、プライマリインスタンスに障害が発生した際のフェイルオーバー(待機系への切り替え)も、通常30秒未満と非常に高速です。RDSのMulti-AZ構成でも自動フェイルオーバーは可能ですが、Auroraの方がダウンタイムを短く抑えられます。

3. スケーラビリティ:最大15台のリードレプリカとストレージ自動拡張
サービスの成長に伴うアクセス増やデータ量の増加に、いかに柔軟に対応できるかも重要な選定基準です。
- リードレプリカ
読み取り処理を分散させるためのリードレプリカは、RDS for MySQL/PostgreSQLでは最大5台までですが、Auroraでは最大15台まで作成可能です。これにより、非常に高い読み取り性能が求められるシステムにも対応できます。 - ストレージ
RDSではストレージ容量を事前にプロビジョニングし、不足した場合は手動で拡張作業が必要でした。一方、Auroraのストレージは最大128TBまで、10GB単位で自動的に拡張されます。これにより、予期せぬデータ増加による容量不足のリスクや、拡張作業の手間から解放されます。
4. コスト・料金体系:I/O処理量に応じた従量課金に注意
コストは技術選定における重要な要素ですが、Auroraの料金体系はRDSよりも少し複雑です。
RDSの料金は主に「インスタンス料金」と「ストレージ料金」で構成され、比較的予測しやすいのが特徴です。
一方、Auroraの料金は「インスタンス料金」「ストレージ料金」に加え、「I/Oリクエスト数に応じた料金」が発生します。これは、データベースに対する読み書きの回数に応じて課金されるもので、ワークロードによって大きく変動します。
そのため、書き込み処理が非常に多いシステムや、非効率なクエリが多いシステムでは、想定よりもコストが高くなる可能性があるため注意が必要です。技術選定の際には、必ず料金シミュレーターで試算することをお勧めします。
| 料金項目 | Amazon Aurora | Amazon RDS (gp2) |
|---|---|---|
| インスタンス料金 | 時間単位の課金 | 時間単位の課金 |
| ストレージ料金 | GB/月 | GB/月 |
| I/O料金 | リクエスト100万回あたりの従量課金 | 無料 (バーストクレジット超過後は有料) |
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Auroraならではの独自機能を紹介!運用を効率化する便利な仕組み

Auroraは、RDSとの比較で語られる性能や可用性だけでなく、運用を大幅に効率化する独自の便利な機能を数多く備えています。ここでは、特に実務で役立つ3つの機能を紹介します。
高速データベースクローニング:本番データを数分で複製
高速データベースクローニングは、既存のAuroraクラスターの完全なコピーを、数分という短時間で作成できる機能です。
通常のデータベース複製では数時間かかるような大容量のデータでも、Auroraのストレージアーキテクチャを活かすことで、ほぼ瞬時に複製を完了させます。とあるプロジェクトでは、本番環境と全く同じデータを持つ検証環境を、開発者がいつでも手軽に作成できるようになったため、開発効率が劇的に向上しました。追加コストは、クローン先でデータを変更した差分のみ発生するため、コスト効率も非常に優れています。
Aurora Serverless:負荷に応じた自動スケール
Aurora Serverlessは、アプリケーションの負荷に応じて、データベースのキャパシティを自動で起動・停止・スケールしてくれる画期的な機能です。
アクセスが全くないときは自動で停止し、急なアクセス増があれば瞬時にスケールアップするため、インフラ管理の手間を大幅に削減できます。特に、開発環境や、利用頻度が不定期な社内ツールなど、常時起動しておく必要はないものの、必要な時にはすぐに使いたい、といった用途に最適です。キャパシティの最適化をAWSに任せられるため、コスト削減にも繋がります。
Global Database:世界規模での低遅延な読み取り
Global Databaseは、単一のAuroraデータベースを複数のAWSリージョンにまたがって展開できる機能です。
プライマリリージョンでの書き込みは、通常1秒未満という低遅延でセカンダリリージョンに物理的にレプリケートされます。これにより、世界中のユーザーに対して、最も近いリージョンから高速にデータを読み取らせることが可能になります。グローバル展開するアプリケーションのユーザー体験を向上させる上で、非常に強力な選択肢となるでしょう。
メリットだけじゃない!AWS Auroraのデメリットと注意点

Auroraは非常に強力なサービスですが、万能ではありません。技術選定で失敗しないためには、メリットだけでなくデメリットや注意点も公平に理解しておく必要があります。
特に注意すべき点は以下の3つです。
- MySQL/PostgreSQLとの完全な互換性ではない
高い互換性を持ちますが、一部の機能や挙動に差異が存在します。特に、RDSからAuroraへ移行する際には、利用している機能がAuroraでサポートされているか、事前の十分な検証が不可欠です。 - エンジンバージョンの追従速度
AuroraはAWSが独自に手を加えているため、MySQLやPostgreSQLの最新メジャーバージョンのリリースから、Auroraが対応するまでに時間がかかる場合があります。最新機能をいち早く利用したい場合には、デメリットとなる可能性があります。 - コスト管理の複雑さ
前述の通り、I/O課金があるためコストの予測が難しい側面があります。開発段階では安価に見えても、本番環境で高負荷になった際にコストが跳ね上がるケースも考えられます。定期的なコストモニタリングと、クエリの最適化がRDS以上に重要になります。
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結局どっち?ユースケース別・AuroraとRDSの選び方

では、これまでの比較を踏まえ、どのような場合にAuroraを、どのような場合にRDSを選ぶべきでしょうか。ここでは、具体的なユースケースを挙げて、選び方の指針を示します。
- Amazon Auroraが適しているケース
- 高いパフォーマンスと可用性が求められる大規模サービス:ECサイトの決済システムや、大規模オンラインゲームのバックエンドなど、少しのダウンタイムも許されないミッションクリティカルなシステム。
- 急激なアクセス増やデータ増が見込まれるサービス:バイラルメディアやキャンペーンサイトなど、負荷の予測が難しく、高いスケーラビリティが求められるシステム。
- 運用の手間を最小限にしたい場合:ストレージの自動拡張や高速なフェイルオーバーにより、データベース管理の運用負荷を大幅に削減したい場合。
- Amazon RDSが適しているケース
- コストを最優先したい小〜中規模システム:I/Oがそれほど多くなく、コストを予測可能な範囲に抑えたいブログサイトや企業のコーポレートサイト。
- 開発・検証環境:本番環境ほどの高い性能や可用性が不要で、手軽に利用したい開発環境やステージング環境。
- 特定のエンジンバージョンや機能が必須な場合:Auroraがまだ対応していない最新のエンジンバージョンや、特定の機能を利用する必要がある場合。
RDSからAuroraへの移行は可能?手順と注意点を解説

すでにRDSを利用している場合でも、Auroraへ移行することは可能です。AWSは比較的簡単な移行パスを提供しています。
主な移行方法としては、RDSのスナップショットを作成し、そのスナップショットからAuroraクラスターを復元する方法が最も一般的です。この方法であれば、数クリックの操作で移行を開始できます。
ただし、サービスを停止できない場合は、AWS Database Migration Service (DMS) を利用して、ダウンタイムを最小限に抑えながらデータを移行することも可能です。
いずれの方法を選択するにせよ、前述の互換性の問題があるため、移行前にはアプリケーションの十分なテストが不可欠です。安易な移行は思わぬトラブルの原因となるため、計画的に進めましょう。
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まとめ:Auroraは強力な選択肢!ただし特性の理解が不可欠
今回は、AWS Auroraの基本的な概念から、RDSとの違い、そして具体的な選び方までを説明しました。
最後に、本記事の要点をまとめます。
- Auroraはクラウドネイティブに再設計されたDBであり、特にパフォーマンスと可用性においてRDSを大きく上回る。
- その強みは、コンピュートとストレージを分離した独自のアーキテクチャに由来する。
- 一方で、I/O量に応じた従量課金があるため、ワークロードによってはRDSより高コストになる可能性もある。
- ミッションクリティカルな大規模システムにはAurora、コストを重視する小中規模システムにはRDSが適している。
Auroraは、多くのシステムの課題を解決しうる非常に強力な選択肢です。しかし、そのメリット・デメリットを正しく理解し、自社のサービスの要件やワークロードと照らし合わせて慎重に技術選定を行うことが、プロジェクトを成功に導く鍵となります。
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